中学生のための経済ニュース_「日用品、国産を対中輸出」2018年11月1日
中学生でもわかるように経済記事をかみくだいてご紹介します。
今日のニュースはこちらです。
・日用品、国産を対中輸出
資生堂やコーセーという日本の化粧品メーカーや、
ユニチャームというオムツを作っているメーカーが、
主に中国などへの輸出を拡大するために国内に工場を新しく建てることを決めた、
というニュースです。
輸出ってなんだっけ?
国内に工場を建てるからなんなんだ?
と思われたかもしれませんので、解説していきますね。
背景としてつぎのようなキーワードを理解しておくと、このニュースがよく分かります。
・「輸出」と「現地生産」の違い
→日本の工場で作ったオムツや化粧品などを、船や飛行機で運んで外国で売ること。
それに対して「現地生産」は、たとえば中国にオムツ工場を建て、そこで作ったオムツを中国国内で売ること。
・訪日客数の増加
→外国から日本にくる観光客の数が、この数年でとても増えていること。
・「爆買い」
→おもに中国から日本に来た観光客が、日本のお菓子や日用品などを大量に買うこと。
・越境EC
→Amazonなどを通して外国のモノを買うこと。
以上のことを理解したうえで、今日のニュースをまとめてみます。
中国人の観光客が日本に観光に訪れた際に、品質の良い日本の化粧品やおむつを爆買いしました。
日本の日用品をとても気に入った中国の人たちは、
中国に帰ってからも最近便利になったアリババ(中国版Amazonです)などの「越境EC」を通して、購入し続けました。
一方、これまで日本の輸出の中心は自動車や半導体・電子部品でした。
おむつや化粧品などの日用品は国内で売るものが中心でしたが、最近では輸出が大幅に増えている、ということです。
(たとえば化粧品の輸出総額は、
2007年〜2013年までは1,000億円〜1,500億円の間でしたが、2017年には約3715億円と急激に増えました。)
この背景には、
・中国人の所得(給料)が大幅に増えて、購買力(物を買う力)が高まった
・スマートフォンの普及により海外のものが手軽になったこと
が挙げられます。
中国の人がたくさん日本に来る
→マツモトキヨシで化粧品を買う
→気に入った人は、また日本に来て今度は同じものを大量に買う
→評判が広がり爆買いがブームになる
→越境ECによって日本に来なくても手軽に買えるようになる
→化粧品メーカーは輸出額が増える
→輸出に対応するため、国内に工場を建てる
このようなことが起きているわけです。
以上、本日のニュースでした。