加賀のイタコ(山代の母)に除霊してもらった話③
前回のつづきです。
電話が鳴ったのでとってみると
「もしもし。」(おばさんの声)
「もしもし。」(ぼく)
「あのお。なんですか?」(イタコ)
「(ずいぶん早口だな)あっ、あのお。知り合いの人にこちらの番号教えていただきまして、ご相談というか、みていただきたいなと思うんですけれども。。」(ぼく)
「いいですよ。いつですか?」(イタコ)
「(すげえ早口だな)えっと。明後日の10時は可能でしょうか?」(ぼく)
「はい。いいですよ。」(イタコ)
「あっじゃあお願いします。」(ぼく)
「はいどうぞはいぞうぞはい」(イタコ)
「(はいどうぞってなんだよw)じゃあ明後日直接、伺います。・・・(切れた)」(ぼく)
というわけで、二日後にイタコ宅(?)に訪問することになりました。
その間にも、石◯さん夫婦から前情報をいろいろ聞きました。
イタコではなく、このあたりでは"山代の母"と呼ばれているということがわかりました。
いよいよ突撃してみました。
"山代の母"の家は街道沿いの住宅街で何もないところであったため、石◯さん夫婦が車で送ってくださいました。
玄関前まではお二人に送っていただいてぼく一人で訪問し、お二人は近くのコンビニの駐車場で待っていていただきました。
普通の少し古めかしいタイプのアパートの一回の角部屋がそこでした。
一人取り残されて心細い気持ちになりましたが、勇気を出してノックをしました。
しばらくすると女性の声で「どうぞ」と聞こえたので、扉を空けました。
そこには50代くらいの女性が玄関先にたっていました。
風貌は、本当に普通の友達のお母さんというか。
どうやら先客の方がいるようで「そこでちょっと待っといて」とだけ、ややぶっきらぼうに言われました。
玄関の中で待たせていただいている中、奥の部屋で40代くらいの男性の方がお話をしているようでした。
お話の内容はわからなかったのですが、
その方は広島カープのお土産を手渡しているのが見えました。
広島から通われているのでしょうか。かなり信頼度が増していきました。
すごくすっきりした表情で男性の方は帰っていかれました。
そしていよいよ、ぼくの版です。
奥の6畳ほどの部屋に通されました。
部屋に入ると、左側の壁際に何体もの人形が飾られていました。日本人形やリカちゃん人形、小さい女の子が遊ぶような人形まで種類は様々でした。
これには少し驚きましたが、昼間で日当たりも良い明るい部屋だったのでそれほど恐ろしいとは感じませんでした。←今考えるとめちゃくちゃ怖いですが。
山代の母とこたつを挟んで向かい合いの座布団に座るよう促されました。
すると、腰を下ろすより先に数珠を渡されて「首にかけて」と言われました。
「ついとるね?」("山代の母")
「え?ついてる?」(ぼく)
「心霊スポット行っとるな?ハタチか21歳の時な?」("母")
心霊スポットに行った記憶はなかったので、ぼくは「えっと。。」と思い出すそぶりをみせるやいなや”母”は続けました。
「アパートやな?」("母")
「あ、確かに当時住んでたアパートの横がお墓でした。」(ぼく)
「それや。首切られて死んだ人の霊が憑いとる。」("母")
「えーっと。。。どうしたらいいですか?」(ぼく)
("母"に対して「あまりいいリアクションが出来なくてすいません」、という気持ちになったことを覚えている程度には、冷静でした。)
「だから今とっとるワ」("母")
話している最中ずっと、紐のついた水晶みたいなものをこたつの上でブラブラさせています。
"母"には見えているようです。
みると、"母"の背後に大きな遺影が飾られていることに気が付きました。美術館でみる肖像画くらいの巨大な遺影で、60代くらいの男性の遺影でした。
(後から聞いたことですが、おそらく"母"の亡くなった旦那さんではないかと石◯さんは言っていました)
その他様々なアドバイスをいただきました。
その他、"母"から言われたのは以下のようなことです。
・京都の東寺に行ってお守りを買って持ち歩きなさい
・職場は今誘われているところは辞めなさい。◯◯か△△(具体的な地名)の会社にしなさい。
・別れた彼女とは結婚しなくて正解だった。もっといい人がいる。
・部屋をキレイに片付けなさい。
・オレンジのものを持ち歩きなさい。
こうやって後から思い出して書き記すと恐ろしかった気がしてきますが、聞いた直後は「あれ?こんなもん?」という印象でした。
自分としては、今後の仕事について方針をもらえることを期待していたので、その点では物足りなさを感じてしまったのです。
しかし、首を切られて死んだ方の霊がずっと憑いていたと言われたのはショックでしたし、憑き物をとっていただいたようなのでその点はよかったかなと思っています。
憑いていたと言われた期間を振り返ってみて、不幸があったとは思っていませんが、確かにあの当時住んでいたアパートにはあまりいい思い出がないのは事実です。
このシリーズの冒頭に書いたとおり、個人的には霊を信じていません。
しかし、"山代の母"がウソをついて人を騙しているとはぼくは思いません。
あの方の主観的には、感じているあるいは見えているのではないかというのがぼくの考えです。
100年前には考えられなかったことが、現代では常識になっていることも多くあると思います。
ということは現代の科学では解明できないことが、世の中に存在するというのは不自然なことではない、そんな風に解釈しています。
オチも何もありませんが、書いておきたかったので長々と書かせていただきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
信じるか信じないかは、アナタ次第です。